4WD(四輪駆動)で燃費性能を上げるトヨタの優れた技術
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新型プリウスの購入を考えている人で燃費を気にしてない人はいないでしょう。
プリウスは燃費向上が命題の車ですから当然なのですが、そんな新型プリウスには4WDつまり4輪駆動車があります。
これは東北部や北海道地区の冬に雪が降る地区に住んでいるユーザーからの当然の人気なのですが、実は4WDと燃費性能は非常に相反する課題なのです。
つまり燃費性能を求めるハイブリッド技術と4輪を駆動させることで抵抗が増え燃費を下げる4WDは相性が悪いんです。
今回は、この驚愕の数字はどのようにして達成したのか考察していきたいと思います。
実用性の高い4WDのデメリットとは?
まず初めに一応説明しますが、4WDとは4つのタイヤ全てがエンジンからのパワーを受けて回転している車のことを言います。
これに対して前輪2つが駆動している車はFF、後輪が駆動して進む車をFRと呼びます。
4WDはFFやFRに対して悪路や雪の時に滑りにくいために雪の降る地方の人からは大変強いニーズがあります。
4WDはなぜ燃費が悪いのか?
4WDは駆動するタイヤの数が2WDに対して倍になります。そのため車を構成するパーツが多くなるために車重が重くなってしまうんです。
車体の重量が重いわけですから燃費は悪くなります。
もう1つの原因は、エンジンのパワーを伝えるタイヤも4輪となり倍になるので、それだけ多くのパワーをロスしてしまいます。
E-Four(HV4WD)はハイブリッドを考えて開発された技術
因みにJC08モード燃費34km/Lという数字は3代目プリウスの通常の2WD車のJC08モード燃費32.6km/Lを上回っているわけですから驚きますよね。
E-Four(HV4WD)とはどの様な技術なのだろうか?
新型プリウスに搭載された4WDシステムはE-Four(HV4WD)です。
これはフルタイム4WDという4輪を常に駆動させている車に対して、普段は2WDの前輪のみで走行をして走行状況や路面状況に応じて後輪も駆動させるというシステムです。
つまり発進加速時や雪路などの滑りやすい路面走行時などで4WDとして駆動していますが普段はパワーロスをしにくいFFにして燃費向上を狙っているわけです。
但しこれまではE-Fourはコンパクトではなかったために、ハリアー・レクサスRXやアルファード・ヴェルファイア・エスティマ等のSUVかミニバン等の大型車にしか搭載することが出来ませんでした。
しかし約75%の小型化って凄いですよねぇ。
E-Four(HV4WD)はなぜ高燃費を実現出来るのか?
- E-Four(HV4WD)約75%の小型化により4WDシステム自体が軽くなったためです。
- 必要な時だけエネルギーロスの激しい4WDとなるため通常の4WD車よりもパワーロスが少なくなりました。
- 磁石レスの誘導モーターにより磁力による抵抗を減らしてエネルギーロスを減らしました。
- 内部オイルの性能を向上して抵抗を減らし燃費を向上させています。
高燃費を叩き出す最大の理由は?
E-Four(HV4WD)以外での燃費が向上された理由に関しては多くあります。
ボディーデザインによる空気抵抗の低減やハイブリッドシステム自体の小型化等です。
新型プリウスの実燃費はどれぐらいなのか?
JC08モード燃費34km/Lと言う数字は凄いことですが、これは一定の統一条件下での燃費比較のための数字です。
そのため実際に街を走行した時の燃費の数字とは異なります。一般的には実際の燃費数字は6割から7割程度になると言われています。
実際には20kmだとしても4WDなら凄い数字ですよね。
これは雪国などの4WDの車を買いたい人にとっては凄く魅力的な車になっていると言えます。
4WDでは約20万円は高いその価値はあるのか?
新型プリウスの最も売れているグレートは、Sですが4WDとの価格差は約20万円になります。
この差は確かに少ない価格差とは言えないとは思いますが、4WDの走破性能は魅力的です。
現在は中古車の4WDのプリウスはありませんので、これから中古市場に出回る新型プリウスの4WDは人気が出ることは間違いないと言えます。
3年後5年後の車検時に下取りに出した時の買い取り価格に関しては、20万円以上高額の買い取り額となることもあり得ると思います。
そう考えると新型プリウスの4WDは大変お買い得な車と言えるでしょうね。
4WD/四輪駆動で高燃費の新型プリウスの技術のまとめ
本来は燃費が悪いことが特徴ともいえる4WDをベースに驚異の燃費を達成するのですから脱帽ですね。
プリウスはやはり日本の最先端の技術の象徴的車とされるのが納得です。
今の日本全体にこういったコダワリのある”モノづくり”の精神が必要な気がします。